黄金の華の秘密
スワミ・アナンド・モンジュ訳 めるくまーる出版
付録
和尚について
和尚は、1931年12月11日、インドのマディヤ・プラデシュ州のクチワダに生まれました。幼少の頃から、反逆的で独立した精神スピリットを持ち、他者から知識や信念を与えてもらうよりも、もしろ自分で真理を体験するべきだと主張してきました。
二十一歳で光明を得た後、サウガル大学を卒業し、ジャバルプール大学で数年間、哲学教授を務めました。そのかたわらインド中を講演してまわり、公開討論で正統派の宗教指導者たちに挑んだり、伝統的な信仰への疑問を投げかけたりしながら、さまざまな層の人々と出会っていきます。また、広範囲にわたる読書をし、ことに現代人の信念体系ビリーフ・システムと心理への理解を広げうる本は可能なかぎりすべて目を通しました。
1960年代の終わり頃に、和尚は独自の瞑想法であるダイナミック瞑想の開発にとりかかりはじめます。現代人は、時代遅れの因習や現代的生活の不安というたいへんな重荷を背負っているので、深い浄化の過程をくぐりぬけないかぎり、瞑想の無心でくつろいだ状態を見いだすことは望めない、と彼は言っています。
和尚はそのワークのなかで、実質的に人間の意識の発展がもつすべての側面について語ってきました。たんなる知的な理解に基つ゛いてではなく、彼自身の実存的な体験に照らして、現代人の精神的スピリチュアルな探求にとって重要な指針となるものの本質を引き出したのです。
和尚は、いかなる伝統にも属していません。「私はまったく新しい宗教意識の始まりだ。どうか私を過去と関連づけないでほしい――それは思い出す価値さえない」と彼は言います。
世界中から訪れる弟子たちや探求者たちに彼が語った講話は、六百冊以上の本となって出版され、三十か国語以上の言語に翻訳されています。そして和尚はこう言っています。「私のメッセージは教義でもなければ、哲学でもない。私のメッセージはある種の錬金術、変容の秘術サイエンスだ。だから、進んで現在の自分として死に、今は想像すらできない、まったく新しい何かに生まれ変わろうとする者たち……そうした勇気ある少数の人々だけが、聴く用意ができている。なぜなら、聴くことは危険を冒すことを意味するからだ」
「聴くことで、あなたは実存の再生へ向けての最初の一歩を踏み出したことになる。だから私のメッセージは、それを元に外套を作って自慢できるような哲学ではないし、悩みごとへの慰めを見いだせるような教義ではない。いいや、私のメッセージはたんなる言葉による伝達などではない。それはもっとはるかに危険なものだ。それは、まさに死と再生にほかならない」
1990年1月19日、和尚は肉体を離れました。インドにある彼の巨大なコミューンは、精神的スピリチュアルな成長のための世界最大のセンターとして存続し、瞑想、セラピー、ボディワーク、芸術などのプログラムに参加するため、あるいはブッダフィールドのなかに在ることを体験するために来訪する、世界中の何百万人もの訪問者たちを魅了し続けています。
和尚コミューン・インターナショナル
和尚コミューンは、内的探求のためのミステリー・スクールです。そして内的探求こそ、もっともすばらしい冒険であり、もっとも美しいダンスにほかなりません。あなたが旅をする道は、独りで歩まなければならないものですが、数多くの人々が同じように独りで旅を続けているのを知ることは、大いに励ましとなります。
この小さなオアシスには、世間とはまったく異なるヴィジョンと目標をもつ生、目的と意義と秩序のある生、注意と気づきと覚醒に満ちた生が存在します。ここでは、生はたんなる偶然ではなく、ある方向へ向かってよりいっそう成長するようになってゆきます。そして、ここはインド人のために作られた道場アシュラムではありません。国際的なコミューンであり、東洋と西洋が出会う場所です。このコミューンは過去の人類ではなく、未来の人類全体を象徴しています。
私たちが努力しているのは、瞑想したいと望む人なら誰であれ、すべての人々に瞑想を体験してもらえるようにすることです。ここでは、個人のタイプに応じて瞑想が選べるようになっています。休息を必要とする人には、休息が瞑想となるべきです。「何もせず静かに坐れば、春が来て草はひとりでに生える」 ――これがその人の瞑想になるでしょう。
私たちは、この世に存在する人々と同じほど多くの、瞑想へ繋がる次元を見つける必要があります。そしてひとりとして同じ人は存在しないのですから、瞑想の型はあまり厳格であってはなりません。これは革命です。個人が型にはまるべきなのではなく、型が個人に合わせられるべきなのです。このコミューンできわめて多くの瞑想法が行なわれているのは、そういう理由からです。瞑想法は活動的なものでも受動的なものでもかまいません。その目標は同じです――すなわち、あらゆる思考が消え去り、<あるがまま>を映すただの鏡になるほど、自分を静かにするということです。
和尚マルチバーシティ
和尚コミューンのなかに、五十以上のセラピー・グループが存在しているのは、ある理由があってのことです。それらは何千年ものあいだ抑圧されてきたもののバランスをとるために活動しています。キリスト教徒、ヒンドゥー教徒、仏教徒として抑圧してきたすべてのものを明るみに出し、何世紀も前から受けてきた傷を癒すために、セラピーを行なっているのです。これらのセラピー・グループはそれ自体が目的ではありません。それは瞑想への準備にすぎず、思考と感情と行動を、判断や同一化をまじえず受動的に観照できるよう準備させるためのものです。
コミューンでは一日のハイライトとして、音楽とダンス、それに和尚の講話のひとつを見ながらの沈黙の瞑想からなる、二時間の祝祭の集会セレブレーションが毎晩開かれています。
「これは講義ではない。私が語るのは、あなたが静かになるための方便にすぎない。なぜなら、何の努力もせずに静かになれと言われても、あなたにはきわめて難しいからだ。私は、あなたが何の努力もなしに沈黙の瞬間に気つ゛けるようにしている。内側に沈黙をつくりだすための策として講話を使っているのは、私が史上初めてだ」――和尚
なお、最新のトラベル・インフォメーション及びプログラムの詳細は、和尚インターナショナル・ウェブサイトwww.osho.orgにてオンラインでご覧になれます。
【インド・プネー】
Osho Commune International
17 Koregaon Park Pune 411001 (MS) INDIA
Tel 91-20-628-562 Fax 91-20-624-181
E-mail: osho-commune@osho.org
Homepage: http://osho.org
【アメリカ】
Osho International
570 Lexington Avenue
New York, N.Y. 10022 USA
Tel 1-212-588-9888 Fax 1-212-588-1977
E-mail: osho-int@osho.org
Homepage: http://osho.org
黄金の華の秘密
1999年6月20日 初版第1刷発行
著 者――和尚
訳 者――スワミ・アナンド・モンジュ
編集者――丸森真一
発行者――和田禎男
発行所――株式会社めるくまーる
〒171-0022 東京都豊島区南池袋1-9-10
電話03(3981)5525(代)
振替 00110-0-172211
電算写植―有限会社オズ
印刷所 ―有限会社東信社
製本所 ―有限会社イマヰ製本所
装 丁 ―宇治 品デザイン室
ISBN4―8397―0099―0 C0010
copyright 1999 Merkmal. Printed in Japan
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